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家具作品

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こだわりの家具ができるまで

 1脚の椅子は、どのようにして作られるのでしょうか。デザインの構想から、図面化を経て、家具職人さんとの打ち合わせ、製作中の調整作業などを1つ1つご紹介します。

●イメージからスケッチへ
 本を読んでいるとき、話をしている時、音楽を聴いているとき、色々な時に小さなイメージが頭の中で生まれます。ふわふわと柔らかく透明で雲みたいな感じ、ただしっかりと何かが生まれてくる“予感”のようなものが芽生えます。
まだ早いと待つってみたり、待ちきれずにそのイメージを描きだしてみたり、たぶんそれはきっとミ ュージシャンの曲作りと同じようなものなのでしょう。心の中にある小さな声を聞き逃さないように耳をすませます。

                      

●スケッチのその先
 形になりそうな予感がだんだんしっかりしてきたら、原寸でスケッチに入ります。まずは思いつくままに。“線”が“線”を呼んで水のように色々な方向へ流れ出しますが、何度も繰り返すと線はだんだん穏やかになってゆきます。流れがゆったりとしてきたら、その中から更に削って、削って最後の線を選び出してゆきます。

                      

●図面
 「椅子は等身大の建築」とイームズは云いましたが、もっと身近に「この椅子は私の一部」と云ってもらえるようにと願いながら図面を描いています。座った感じ、後姿、強度など想像力を駆使して、何度も何度も手を入れます。村野、森建築事務所伝統の美濃紙に鉛筆で等身大、原寸の図面に向かいます。

                
●打合せ
 生まれたてのデザインをどういう風に形にしてゆくか、いつもの精鋭メンバーと検討を重ねます。組み立て方から材料選び、仕口、各部材の取り合い、面のとり方から微妙なニュアンスまで、お互いの経験と感性が交錯し合います。

      

●作業開始
 まずは木部の削りだしから、感性予想のイメージはできていますが立体になる瞬間は、やはり楽しい。細かい調整ができるようにと、微妙な調整が必要なところは後で削れるように少し残しておいてもらいます。

             

●木部の調整

 線が自然に繋がってゆくように、面が流れるように1ミリでも2ミリでも妥協せずに調整してもらいます。たぶん、私と職人さんしか気がつきませんがそこがこだわり、妥協はできません。
 
       

●座り心地

 意識せずに「すっ」と自然に座れて気がつくと「もう、こんなに長く座っている」こんな座り心地が理想です。柔らかすぎると疲れるし、硬すぎると馴染みません。皆で何度も座って検討しまた座って、を繰り返します。

                       

●布張り
 布は肌触りが大切です。布は張ると感じが変ったり硬くなったりします。縫製の難しいところは部分の試作をしてもらいます。体を包むことを意識して感覚を大切に、経験豊富な職人技が頼りです。
 
  

●完成
 待ち遠しかった瞬間です。工場で何度も会っているのに新鮮な気持ちになります。これからこの椅子が歩んでゆく道はどんなものか、長く大切に、愛される椅子であって欲しいと思います。
     
     
     
     
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