大宮の家 設計ノート

周辺は畑が残る閑静な住宅地です。敷地は路地状で、13mの斜路を1.2m下りきると周囲を擁壁や住宅に囲まれた盆地のような状況になっており、更に700もの段差がありました。囲まれた圧迫感のある状況を克服し、様々なグランドレベルをどのように生かし豊かな住空間を構築するかが重要な課題でした。

まずは玄関レベルを基準とし、各階をスキップさせることで機能的には動線の短縮、空間的には立体的で変化のある構成にすることとしました。LDKを二階へ、中心に自然光が注ぐプライベートコートがあります。内側に開いたインテリアは快適さだけでなく、家族がみえるという重要な役割も担っています。

一階はピロティにして車に必要なスペースを合理的に確保しました。玄関に入ると二階に続く階段から光が注ぎ、立体的に設えられたホールがこの家の序章を予感させます。光に導かれて階段を上がると、視界が開けて開放的で光に満ちた家族だけの豊かな空間が展開されてゆきます。