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構造・工法について

矩須雅建築研究所では、構造的にバランスの取れた設計を行い、より耐震性能の高い住まい造りを目指しています。住まいはまず安全、安心、デザイン=構造設計だと考えています。

■構造の設計、監理


村野、森建築事務所時代から構造を含めた現場監理業務や数々の設計経験を踏まえ構造設計をしています。まず我々が外観や空間のボリューム、設備機器の納まりや配管ルートなどを完全に把握し全体から細部まで全て計画します。状況に最も適した構造、工法を選び、構造体の組み方、必要な部材の断面寸法まで一つの考え方に則ってシナリオを起こします。その上でパートナーの構造設計事務所と協議しながら理想を目指して構造計画を進めます。構造を構造設計事務所へ丸投げする意匠設計事務所が多いようですが、それは絶対にしてはならないことだと考えています。

■工法について

骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)、在来木造、2×4等があります。更にはそれぞれの特徴や利点を生かした混構造(RC+S、RC+木造など)もあります。創りたい空間の特性、敷地や地盤の状況、建物の高さ、防火防災、コストなどを踏まえ十分検討の上判断することが大切です。村野、森建築事務所では一つの物件でSRC、RC、S、木造の全てを駆使して造り上げた事例があります。既成概念に捕らわれず、柔軟であることが大切です。

■地盤と基礎の大切さ

当事務所設計による基礎は少々過剰ではないかと施工関係者から指摘を受けることがあります。しかし、これは我々とパートナーの構造事務所の信念に基づいたものです。地震の揺れは地盤を通して基礎に伝わり、更にそれが上部構造に伝わります。基礎は土地と建物の接点です。地盤をしっかり掴み、且つ本体を出来る限りしっかり守る必要があるのです。これから発生することが予測される地震から大切な住まいを守るためには、全てを支える基礎は最も重要だと考えています。

■構造=デザイン

構造計画はデザインの裏方と考えられている方も多いと思います。しかし構造は人間で言えば骨や筋肉、機能も美しさもそれ抜きには成り立ちません。形や空間を成り立たせているのは表面に現れている仕上げではなく、骨格を成す構造です。建築デザインと構造は一体であり、全てがバランスよく形成されていることが大切です。建築雑誌に斬新なデザインのものが度々掲載されていますが、どんなにユニークな形や空間でも構造的な弱点があるような形は絶対によくありません。構造を考えることは=デザイン、それは大切な家族の生活を支えるということなのです。

■強度の余力が重要

建設会社やメーカーは企業の宿命として利益を優先しなければなりません。また、入札などで他社に勝ち、物件を得るために見積金額を押さえる必要にも迫られます。建築物で最もコストが掛るのが構造です。その構造に掛るコストを押えるために柱や梁、構造壁などの構造体を極力小さなメンバーにする必要があります。そうすると必然的に構造体の余力が最小限に抑えられてしまいます。もちろん例外はあるかと思いますが、近年の厳しい経済状況では益々この傾向は加速しているように思われます。当事務所では自身の信念に則って“+α”強度を高めに設計します。建築は“安全、安心”が一番大切だからです。