Japanese & Modern
和モダン
透明感のある凛とした佇まい、季節や時間の変化を心地よく感じることができる、空間性豊かな上質な住まいをご提案します。
和モダンの住まいについて 建築家 佐藤健治のコラム |
●和モダンの住まいについて考える |
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●和モダンの真、行、草 |
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●和モダン色々・その1 |
和モダンの住まいといっても、要望や敷地の状況によって様々です。 よい住まいを造るためには、まず敷地の可能性を最大限引き出すことがとても大切で、それを深めることで個性的で豊かな空間が生まれます。たとえば間口が狭く奥行きのある敷地の場合でも「町屋和モダン」というコンセプトで解決、立体的に考案して更に面白く。 ご存知の通り京町屋は間口が狭くとても奥行きがありますが、吹抜けがあったり、中庭があったりと、生活の中にとても豊かな空間があります。そして機能的で住みやすく落ち着ける、歴史の中で長い時間をかけて生まれた空間造りには、今の生活でも生かせる知恵や工夫がいっぱいです。 そこにずっと居て落ち着き、移動して楽しい、和風ならではの魅力を現在の住まいに生かしてゆきたいと考えています。 ![]() ![]() 和モダンの住まい(川口の家より) |
●和モダンの家具 |
和モダンの家具というと“民芸調”のイメージを持たれる方が多いと思います。 建築での和モダンのイメージとはだいぶ違いますね。ヨーロッパでは建築家が家具のデザインをすることが普通なのですが、日本で家具デザインをする建築家は私を含め本当に少数派なので、空間に合った和モダンの家具がなかなかないのが残念です。シンプルで低めのイタリア製のソファーが和モダンの空間にはよく合うので使ったりしますが、実はこのような家具も“禅スタイル”というコンセプトでつくられた和モダン家具だったりします。 矩須雅建築研究所は、家具は生活を豊かにする“アートピース”であるべきだと考えています。美しい曲線や形、質の高い皮や布の椅子を毎日使うなんて豊かですよね。「武蔵」はそんな思いをこめてデザインしたシリーズです。ウイスキーを楽しむための椅子とテーブルからはじまり、シリーズ化しました。 |
●和モダン - 数寄屋モダン |
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●和モダンの住まいの魅力 - 「間」について考える |
日常よく使う「間」という言葉、「間が良い、悪い」とか「間が持つ、持たない」とか。建築では空間について語る時に使われますが、この「間」と云う言葉は私達日本人の感覚を表現する言葉として大切な役割を担っています。人を評する時に使ったりしたり、物や時間、寸法としても使います。しかし、それはあまりに感覚的で日本人にしか理解できない言葉かもしれません。もし外国の方に説明するとすればそれは「間隔」ということになってしまい、本質的な意味からは少し外れてしまいます。 能は完成された「間」の芸術として知られていますが、表現は直接的ではなく、設え、演者の動き、付ける面などに意味を持たせ、舞台の上で抽象的に形作られる「間」によって深い思想を読み取ってもらう、感じてもらうという方法をとっています。舞台、演者、観客その全てに「間」が介在することによって“幽玄の美”として完成しているのです。 この幽玄の美を建築に取込んだのが茶室です。この狭い空間で行われる設えや所作には能と同じように様々な意味があって、その全てに「間」の概念が生きています。空間と時間、亭主と客の心が重なり合ってはじめて完成される美です。 ![]() ![]() 和モダンで使われる「和」と言う言葉、この一言に様々な意味が込められていますが、その中でも日本人として最も惹かれるのが、この「間」の概念ではないでしょうか。 住まいにとって空間的なことはもちろん家族や近隣との関係に至るまで、「間」が如何に大切で生活を豊かにしてくれるものであるか私達は知っています。 私も建築家として日本人だけに与えられたこの素晴しい感性を何時も大切に、和モダンの住まいの設計を通して探求してゆきたいと考えています。 |
●和モダンの魅力 - 「深み」について考える |
「黒」といってもイメージする色は十人十色、塗装色から墨の濃淡、漆の漆黒、陶器の釉薬と、どれだけあるのでしょうか。逆の色「白」も同じ、建築の素材で言えば漆喰、障子、絹木綿などがイメージされると思います。
日本人は色一つとっても様々な感じ方ができる感性の豊かな民族だと思います。更にはその物の表面的な色や質感の奥に別の色を感じたり、墨の濃淡だけでも後ろに奥行きや広がりを感じたり、例えば漆喰の白の奥に影や闇を感じたりと“深み”に対してとても敏感です。住まいに対しても同じで、和風や和モダンではその“深み”が求めらていると思います。 |
矩須雅建築研究所
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