14 ・桂離宮の本歌取り・その3

  1. 村野藤吾の建築
  2. 14 ・桂離宮の本歌取り・その3

桂離宮と言えば、やはり古書院、中書院、楽器の間、新御殿からなる雁行する建築群をイメージされるかと思います。柱、束柱を独立させて、その奥に漆喰の壁を立ち上げた構成、その上に障子が嵌められていますが、色濃く焼けた木材と真っ白い漆喰と障子紙のコントラスト、その繊細な組み合わせがとても美しく、心に強く刻まれす。この優れた美を、村野藤吾が見逃すことはなく、様々なところで写されています。村野自邸の増築で試され、その後、京都都ホテルの佳水園(裏側)、近鉄中興の祖、佐伯勇の佐伯邸(現松柏美術館内)等でアレンジされて用いられています。「村野先生の手に掛かると、こうなるのか」と、伝統の美が違う形で再生される面白さが味わえます。

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